大東流合気武術について
様々な会派がある中での当流の立ち位置
大東流にも様々な会派がある
大東流(だいとうりゅう)は、現存する古流武術の中でも比較的有名な武術です。
全国各地に道場があり、「大東流合気武術」 「大東流合気柔術」「大東流合気武道」などの名称で、幅広い修行者に支持されています。合気道の創始者・植芝盛平先生が多大な影響を受けられた武術としても有名です。
一般的に大東流は、素手で敵を制圧する「柔術」を伝える武術であると認識されています。実際、 「大東流合気柔術」などの名称で活動されている団体では、柔術をメインに稽古することが多いようです。
ですが、煉誠館に伝わる大東流は、柔術という範疇に収まるものではありません。剣術、杖術、槍術、拳法などの技法を含む「総合武術」として伝承されており、その流れを汲んでおります。
具体的に言えば、煉誠館の母体となるのは、現代を生きる武士道集団を標榜されている「西郷派大東流合気武術」です。他の大東流とは大きく異なった思想と技術を伝承されている会派であり、当会代表の荒木は、西郷派大東流の曽川和翁宗家先生に師事し、大東流の技法と思想の一部を伝承しております(煉誠館において、西郷派大東流としての免状の発行などは行いません)。
人生を有意義に送るための叡智として
よって、当流の大東流に対する認識については、西郷派大東流のそれを踏襲しております。大東流は、伝承や歴史、技法の解釈においても様々な説があり、流派や派閥によって驚くほどの違いがあるのが現状ですが、当流における教伝は、以下の姿勢を基本とします。
●技法をコレクションして喜ぶのではなく、武術の本質を探る手がかりとして探求する。
●剣術を最重視し、武士の技であることに意義を見出す(例え効果的であったとしても、剣の理合に沿わない技は採用しない)。
●身体理論に終始せず、現代社会で活用できるよう、思想や心法を含めて修練する。
●心身の向上を目指しながら、精神的武士としての優しさや気概を練っていく。
●歴史認識については、『会津藩の殿中作法「御式内(おしきうち)」を母胎とし、会津藩国家老「西郷頼母近悳(さいごうたのもちかのり)」を中心に複数の研究者たちが共同編纂した新興武術である』、という説を採用する。
西郷派大東流は、大東流諸派の中でも「武士の技であること、武士としての誇りを持つこと」に対しては他の追随を許さない会派です。
時世に迎合せず、頑なまでに求道の姿勢を貫いておられる西郷派大東流の思想と技法は、人生の糧として追求する価値があると確信しております。
煉誠館においても、人生を有意義に送るための手段として、大東流の思想と技術を修得していくことを目標とします。