門人ログイン
メニュー

杖術

武術特有の力を養成し、技法の底上げを目指す

杖術の概略

杖術は、長さ五尺ほどの杖と呼ばれる武具を用いて敵を制する技術であり、剣の応用です。
杖には刃がありませんので、武器としての威力を期待することは出来ません。一太刀で決することを望まず、連続した打ち込みで相手を撹乱させ、粘りつき、急所に攻め入って勝利を得ます。それだけに、より一層の柔らかさと間合いの妙が要求される技法と言えます。

煉誠館に伝わる杖術は、体に杖を絡み付けながら、四方八方上下の軌道を描く杖捌きが特徴的です。遠距離においては間合いを計り、敵の武器を巻き落とし等で捌きつつ、様々な角度から連続で打ち据えます。近距離においては、敵の体に粘りついて密着し、杖を手足に絡み付けて固め、投げ放つといった柔術的な技法を交えて敵を制します。流れの中で穂先と鐺を入れ替える動作が含まれているのは、母体である槍術(手槍)の影響であり、杖術から槍術への展開が比較的容易で、一貫性を持っているのも特徴と言えます。

加えて、杖術には体を練って軸を作る鍛錬法という側面もあります。
一人稽古の素振りを丁寧に行うことで、丹田を原動とする螺旋の「躰動法」の修得につながるため、初心者はもちろん上級者であっても研究しなくてはなりません。

単純な剛力に頼らない武士の業は、杖の一人稽古のような地道な鍛錬によって維持されます。杖の鍛錬によって得た粘りある力は、柔術や剣術等の技法にも応用され、総合的な実力を高めてくれます。

また、杖術は現実的な護身術としても非常に有用です。杖の母体となった手槍は、武士が護身用に携帯した武具であり、煉誠館においても、いざという時に身を護るための「武士の嗜み」であると位置づけております。
刃を必要としない杖術の技は、日常的に手にする道具で代用することが可能です。傘、ほうき、モップなど、棒状の道具があれば、素手よりも安全に敵を制することが出来ます。

万が一、凶悪な暴漢に出会ってしまった時、素手で立ち向かうことは避けなくてはなりません。敵が複数であるなら尚更です。周囲を見回し、武器となるものを手にすることで、生き延びる確率は高まるでしょう。

武術特有の力を養成する鍛錬であり、自他を守る護身術としても効果が高い。
杖術は、単純に敵を倒すための方法論ではなく、様々な意味で広がりのある奥深い技法です。

  • 杖術 イメージ画像1

    杖術の稽古風景

  • 柔術 イメージ画像2

    鐺上段下之構

  • 柔術 イメージ画像3

    敵の小手を制する

杖術教伝内容

手解き

初伝儀

  • 十方之振
    (練体素振り)
  • 杖組討之型・表 拾参本

中伝儀

  • 水走
  • 杖組討之型・裏 拾参本

奥伝儀

  • 風魔棍
  • 飛龍
  • 双杖之振
  • 杖組討之型・奥 拾壱本
    (飛龍組討)

※口伝、教外別伝、秘伝あり

ページ上へ